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年輪幅が緻密で強度に優れることから、市場で珍重される奈良の木の木材
その品質の影には、500年という歳月の中で確立された「極端な密植と、弱度の間伐」という吉野の独自の育林技術や、気候風土などの様々な要因がありました。
“完満通直、無節”の奈良の木ブランドを支える「吉野式林業」について簡単にご紹介しましょう。
吉野式林業では、挿し木ではなく、種から苗木を育てて植林を行います。この際、他の地域では、1ヘクタールあたり3,000~5,000本を植えるのに対し、吉野では8,000~12,000本もの苗木を植えます。
この密植により、木の生長を抑え、年輪幅が広くなるのを防いでいるのです。
成木になってからは、雑草の下刈り、枝打ち、3回程度の除伐、7回以上繰り返される間伐と作業が続きます。こうした長期的なメンテナンスにより、無節完満の木材が作られていくのです。
なお、この際に出た間伐材は丸太として出荷されるほか、吉野の大きな産業である割箸の資材となっています。
ゆっくり時間をかけて育てられてきた奈良の木は、60年生頃から伐採し、長いものでは150年以上が経過した大径材も見られます。
木材を運ぶ際には、昔は「修羅」と呼ばれる巨大な滑り台を作って滑らせたり、吉野川に筏で流したりしていましたが、戦後はトラックやヘリコプターなどを使用して輸送を行っています。
吉野の林業地域は県中央東寄りの吉野川流域に位置し、県土の約12%を占めています。
リン酸カリや珪酸塩類に富んだ豊かな地質、保水性や透水性の極めて良好な土壌を有し、「年間雨量2,000mm以上、年平均気温14℃、冬季の積雪30cm以下」という林木の生育に最適な気候が特徴です。
また、地域の東南を大普賢岳などの山嶺が囲むために、台風の被害が少ないのも良質な木材の産出に繋がっています。
室町期に始まったとされる吉野式林業は、その発達過程における「借地林制度」や、これを基に作られた管理組織「山守制度」を下敷きに、その手法を絶やすことなく、受け継いできました。吉野杉の心材独特の持ち味である、木質の良さと渋抜き(葉枯らし)による目色の良さは、豊かな自然条件に加え、こうした山村民の慣習と努力の賜物なのです。
当社では、奈良県産の良質な木材を取り扱っております。
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